法人口座を2行体制にした理由——1行に絞らなかった判断

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法人口座は、1行あれば足りると思っていました。

実際、施工図の受発注では振込の回数も限られています。手数料の安いネット銀行を1つ持てば、日常の業務は回ります。

それでも、GMOあおぞらネット銀行に加えて楽天銀行の法人口座も開設し、2行体制にしました。今回はその判断の理由を書きます。

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理由① 将来の融資を見据えている

一番大きな理由がこれです。

今のところ借入の予定はありません。ただ、事業を広げていく過程で融資を受ける場面は出てくると考えています。設備、人の採用、運転資金——事業を伸ばすフェーズでは、自己資金だけでは足りなくなる可能性があります。

そのときに困るのが、取引実績がない状態から相談に行くことです。銀行は入出金の履歴を見ます。口座を持っていなければ、事業の実態を示す材料が手元にありません。

だから、必要になってから作るのではなく、今のうちから取引の履歴を積み始める。これが2行にした最大の動機です。

融資は「必要になったときに申し込むもの」ですが、準備は「必要になる前」にしかできません。口座の履歴は、あとから作れないものです。

理由② 1行に依存するリスクを避ける

2つ目は、単純なリスク分散です。

システム障害でログインできない、振込が処理されない——こうしたことは、どの銀行でも起こり得ます。口座が1つしかないと、その間は入出金が完全に止まります。

取引先への支払いが期日に間に合わなければ、信用の問題になります。バックアップがあるかどうかで、こうした事態への対応力が変わります。

これはファイル管理の考え方と同じです。止まると困るものは、2系統持っておく。

理由③ 口座を用途で分けられる

3つ目は実務面のメリットです。

2つあると、口座を役割で分けられます。

用途で分けるという考え方

  • メイン口座——売上の入金と主な支払い。請求書に記載する振込先
  • サブ口座——特定の支払い専用、または資金の待機場所として

すべてを1つの口座で回すと、残高の中身が見えにくくなります。役割を分けておくと、いくら動かせるお金があるのかが把握しやすい。個人の家計で口座を分けるのと同じ発想です。

なぜこの2行を選んだか

GMOあおぞらネット銀行

最初に開設したのがこちらです。選んだ理由は、振込手数料の安さ、オンラインで申込が完結すること、会計ソフトとの連携の3点でした。

詳しい判断の経緯は「法人口座の開設——ネット銀行を選んだ理由と申込の流れ」で書いています。日常の入出金を回す口座として、この選択は今のところ正解だったと感じています。

── ② GMOオフィスサポート(登記住所の話の後に)──

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法人の登記住所をどうするかで迷ったら、GMOオフィスサポートのバーチャルオフィスも選択肢に入ります。月1,650円から登記が可能です。

登記可能な住所を見る

楽天銀行

2行目に選んだのが楽天銀行の法人口座です。

決め手はグループのサービスとつながりがあることでした。法人化にあたって通信や決済まわりも見直しているので、同じグループで揃えられる部分があるのは利点になります。

また、こちらもオンラインで申込ができ、2行目の開設にかかる手間が小さかったのも実際的な理由です。手続きが重いと、必要性を感じていても後回しになってしまいます。

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法人化後の通信費を抑えたいなら楽天モバイル法人(ビズテン)も比較対象になります。法人名義で契約でき、経費処理もしやすくなります。

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今後は取引銀行をさらに増やしたい

2行で止めるつもりはありません。融資を視野に入れるなら、もう少し広げていきたいと考えています。

特に検討しているのが、ネット銀行以外との取引です。ネット銀行は日常の利便性では優れていますが、融資の相談という観点では、地域の金融機関や信用金庫との関係も意味を持ちます。

ネット銀行の強み

  • 振込手数料が安い
  • オンラインで完結する
  • 開設までが早い傾向
  • 会計ソフトとの連携

対面型の金融機関の強み

  • 融資の相談がしやすい
  • 担当者がつく
  • 地域の情報が入る
  • 紹介につながることもある

どちらが優れているという話ではなく、役割が違うということです。日常の効率はネット銀行、将来の資金調達は対面型——この両方を持つのが、今の方針です。

取引銀行を増やすのは、借りるためではなく「借りられる状態を作っておく」ため。選択肢があること自体に価値があります。

口座を増やすときの注意点

ただし、無制限に増やせばいいわけではありません。実際に2行目を作って感じた注意点もあります。

  • 管理コストが増える——残高確認、記帳、明細の照合が口座数に比例する
  • 手数料の条件が違う——それぞれのルールを把握しておく必要がある
  • 会計ソフトとの連携を確認する——自動取込できないと手入力が発生する
  • 休眠させない——取引実績を作る目的なら、使わない口座には意味がない

最後の点が重要です。口座を開くだけでは実績になりません。入出金が動いていることが、事業の実態を示す材料になります。作ったら使う。これが前提です。

法人化したばかりの人へ

設立直後は、まず1行開設するだけで手一杯だと思います。僕もそうでした。

ただ、落ち着いたタイミングで「将来どうしたいか」から口座体制を考えてみる価値はあります。ずっと自己資金だけでやっていくのか、どこかで融資を使って広げるのか。後者なら、早めに動くほうが有利です。

口座の履歴は、時間をかけないと積み上がりません。これは今日始めれば今日から積み上がるものでもあります。

まとめ

  • ✓2行にした最大の理由は、将来の融資に向けて取引実績を積み始めるため
  • ✓1行だけだと、システム障害時に入出金が完全に止まる
  • ✓用途で分けると、動かせるお金が把握しやすくなる
  • ✓ネット銀行は日常の効率、対面型は将来の資金調達——役割が違う
  • ✓開設するだけでは実績にならない。使わない口座に意味はない

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設立後の会計は弥生会計 Nextで管理しています。個人事業の申告と並行して動かす場合も、操作感が同じなので迷いません。

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次回予告

次は「インボイス登録を法人と個人事業のどちらでするか——複業ならではの判断」を書く予定です。CORPカテゴリーをお楽しみに。

口座開設の流れは「法人口座の開設——ネット銀行を選んだ理由と申込の流れ」、カードの選び方は「法人カードをどう選ぶか——一人法人が経費管理で重視したこと」もあわせてどうぞ。

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