スロープレーは、下手だから起きるわけではありません。
キャディとして多くの組に付いてきて確信しているのですが、プレーが遅い人の遅さは、打っている時間ではなく「打つ前後の時間」に出ています。ミスの数が多くても、動きが速い人はまったく遅れません。
逆に、上手いのに毎回組を遅らせている人もいます。今回は、その差がどこにあるのかをキャディ目線で書きます。スコアは変わらなくても、これを意識するだけで同伴者からの印象は大きく変わります。
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遅れは「打つ瞬間」ではなく移動中に生まれる
まず前提として、1打を打つのにかかる時間はせいぜい30秒程度です。18ホールで100打打っても、実際に打っている時間の合計は1時間もありません。
ではラウンドの4〜5時間はどこに消えているのか。移動、探し物、準備、そして待ち時間です。つまり、時間を短縮できる余地はここにしかありません。
遅れが生まれる主な場面
- ボールの前に着いてから番手を考え始める
- クラブを取りに何度もカートへ戻る
- ボール探しに時間をかけすぎる
- グリーン上で自分の番になってからラインを読む
- ホールアウト後にその場でスコアを記入する
速いプレーとは「急いで打つこと」ではありません。待たせない準備が済んでいる状態のことです。打つときは落ち着いていい。
工夫① 移動しながら番手を決める
一番効果があるのがこれです。カートで移動している間に、次の1打をどう打つかを決めておく。
残り距離はカートのナビか距離計で確認できます。傾斜や風は見ればわかる。ボールの前に着いた時点で「7番で花道を狙う」まで決まっていれば、あとは構えて打つだけです。
逆に、ボールの前に着いてから距離を測り、悩み始め、素振りを繰り返す人は、1打あたり1分以上ロスしています。18ホールで積み重なると、それだけで30分近い差になります。
工夫② クラブは2本持って歩く
迷ったときは、候補のクラブを2本持って歩く。これだけでカートへの往復がなくなります。
「7番か8番か迷う」なら両方持っていく。ボールの前で最終判断すればいい。1回の往復は20〜30秒ですが、これが何度も起きると組全体のリズムが崩れます。
グリーン周りでも同じで、ウェッジとパターを一緒に持ってグリーンへ向かうのが基本です。寄せてからパターを取りに戻る人は、毎ホール往復していることになります。
工夫③ 他の人が打っている間に自分の準備をする
同伴者が打っている間、何をしているかで差が出ます。
遅くなる人
- ただ見ている・雑談している
- 自分の番になってから動き出す
- そこから距離を測り始める
- グローブをはめ始める
速い人
- 自分のボールの位置を確認
- 距離と番手を決めておく
- 素振りを済ませておく
- 自分の番ですぐ構えられる
ただし注意点があります。打つ人の視界に入る場所や、真後ろで素振りをするのはマナー違反です。準備は打つ人の邪魔にならない位置で行ってください。安全面でも重要です。
工夫④ ボール探しは時間を決める
ロストボールの捜索は、スロープレーの最大の原因です。
ルール上も探せる時間には制限があります。それ以前に、探し始める前に「見つからなければ暫定球」と決めておくのが実務的です。
- 怪しいと思ったら暫定球を打っておく——戻る手間がなくなる
- 全員で探す——4人で探せば単純に4倍速い
- 諦める基準を先に決める——「1分で出てこなければ次へ」
特に初心者の方は「同伴者に申し訳ない」と思って必死に探しがちですが、探し続けるほうが待たせています。潔く諦めて進むほうが、結果的に全員のためになります。
工夫⑤ グリーン上の動きを整理する
意外と時間を食っているのがグリーン上です。
自分の番が来る前にラインを読んでおく。他の人がパットしている間に、自分のボールとカップの関係を見ておけば、自分の番ではすぐ構えられます。
そしてホールアウトしたらすぐグリーンを離れる。スコアの記入は次のホールへ移動してから、カートの中でやれば十分です。グリーン上で4人が集まってスコアを確認していると、後ろの組はずっと打てません。
グリーンを空けるのが早い組は、後ろから見ていて気持ちがいい。これだけで「マナーのいい組」に見えます。
それでも遅れたときの対処
どれだけ気をつけても、前の組との間隔が空いてしまうことはあります。そのときは取り返そうと焦らないことです。
焦って打つとミスが増え、さらに時間がかかるという悪循環になります。それより、次のホールでカートの動きと準備を速くするほうが確実に取り戻せます。打つ速度ではなく、打つ前後で調整する。
キャディが付いている場合は、遠慮なく頼ってください。クラブを持ってきてもらう、先に距離を確認してもらう——これも仕事のうちです。うまく使うほど、プレーはスムーズになります。
まとめ
- ✓遅れは打つ時間ではなく「打つ前後」に生まれる——急いで打つ必要はない
- ✓移動中に番手を決めておく——ボールの前で悩まない
- ✓迷ったらクラブを2本持つ。グリーンへはウェッジとパターを一緒に
- ✓ボール探しは基準を決める——怪しければ暫定球、諦めも大事
- ✓ホールアウトしたらすぐグリーンを離れる。スコア記入は移動後
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プロコーチとのマンツーマンレッスンも可能次回予告
次は「キャディが見た、ゴルフが長く続く人と辞めてしまう人の違い」を書く予定です。GOLFカテゴリーをお楽しみに。
同伴者との関係は「キャディが見た、同伴者から好かれるプレーヤーの共通点」、マナーの基本は「キャディが本音で教える、ゴルフ場でのマナーと作法」もあわせてどうぞ。



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