施工図のチェックはどうやるか——納品前に必ず見る項目

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施工図の仕事で信頼を落とすのは、描けないことではありません。チェック漏れです。

フリーランスには、社内の先輩がチェックしてくれる環境がありません。自分が最後の砦です。ミスがそのまま現場に出て、手戻りが発生すれば、次の依頼は来なくなります。

だから僕は、納品前のチェックを作図と同じくらい重要な工程として扱っています。今回は、実際に見ている項目とその順番を書きます。

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チェックの原則——描いた直後にやらない

まず前提として、描き終わった直後のチェックはほとんど機能しません

自分が描いた図面は、自分の意図で見てしまいます。「こう描いたはず」という記憶が邪魔をして、実際に線が入っていなくても入っているように見える。これは何度も経験しました。

だから可能な限り、一晩空けるか、最低でも数時間あけてから見る。休憩を挟んで頭をリセットしてから開くと、驚くほどミスが見えます。この時間を確保するために、納期には必ず余裕を持たせています。

チェックの精度は、時間を空けられるかどうかで決まる。ギリギリのスケジュールで受けないのは、品質を守るためでもあります。

順番① 最初に「範囲」を確認する

細部を見る前に、そもそも描くべきものが全部あるかを確認します。

細かい寸法を丁寧にチェックしても、図面が1枚足りなければ意味がありません。まずは依頼時の資料と照合して、成果物の一覧が揃っているかを見ます。

まず見る項目

  • 図面が全部揃っているか——依頼された範囲と照合する
  • 図面番号・図面名が正しいか——連番の抜けや重複がないか
  • 最新版の元図を使っているか——途中で差し替えがなかったか
  • 質疑の回答が反映されているか——回答をもらったまま直し忘れていないか

特に最後の項目は要注意です。質疑の回答が来たときに別の作業をしていると、「後で直す」と思ったまま忘れることがあります。質疑一覧を開いて、1件ずつ反映済みかを確認します。

順番② 整合性を見る

次に、図面同士・元図との食い違いがないかを確認します。ここが施工図で最も重要なチェックです。

  • 平面と断面が合っているか——片方だけ修正して、もう片方が古いままになっていないか
  • 意匠図・構造図との整合——支給図面と寸法や位置がずれていないか
  • 他工種との取り合い——設備の貫通位置などが干渉していないか
  • 同じ部分が複数の図面に出てくる場合——すべて同じ内容になっているか

修正作業のあとが一番危険です。1箇所直したら、その情報が載っている全図面を確認する。これを徹底しないと、平面だけ新しくて断面が古い、という状態が生まれます。

順番③ 納まりを現場目線で追う

整合が取れていても、現場で施工できなければ意味がありません

ここでは図面を「描いた人」ではなく「これから作る人」の目で見ます。頭の中で施工の順番をたどっていくイメージです。

図面上は正しいが問題がある例

  • 納まるが施工手順として無理がある
  • 工具が入らない寸法
  • 後から取り付けられない順序
  • メンテナンスができない配置

確認する視点

  • どの順番で組み立てるか
  • クリアランスは足りているか
  • 実際に手が入るか
  • 現場から質問が来そうな箇所はどこか

右側の最後、「現場から質問が来そうな箇所」を先に潰すのがポイントです。ここを想像できるようになると、納品後の問い合わせが目に見えて減ります。

順番④ 表記まわりを確認する

内容が正しくても、表記が乱れていると信頼を損ないます。地味ですが、必ず見る項目です。

表記チェックリスト

  • 作図基準どおりか——レイヤー・線種・線の太さ・文字サイズ
  • 寸法の抜けがないか——必要な寸法が入っているか
  • 誤字・部材名の表記ゆれ——同じものが別名で書かれていないか
  • スケールが正しいか——印刷したときに合っているか
  • 日付・版数が更新されているか——前回の日付のままになっていないか

クライアントごとに作図基準が違う場合は、その会社のルールに合っているかを必ず確認します。自分の描きやすい形ではなく、相手が使いやすい形が正解です。

順番⑤ 出力して確認する

最後に、納品する形式で出力して見ます

CAD画面では気づかなかったことが、PDFにすると見えます。文字が重なっている、線が細すぎて印刷で消える、図面が用紙に収まっていない——これらは出力しないとわかりません。

可能であれば紙に印刷して見るのが最も確実です。画面と紙では、見え方がまったく違います。現場では紙で使われることを考えると、この確認には意味があります。

納品するのはCADデータではなく「現場で使われる図面」。最後は使われる形で確認する。

チェックリストを作っておく

ここまでの項目は、毎回同じことを確認しています。だからチェックリストとして固定してしまうのがおすすめです。

記憶に頼ると、疲れているときや急いでいるときに必ず抜けます。リストを見ながら順番に潰していけば、コンディションに左右されません。

案件ごとに固有の確認事項があれば、それも追記していく。ミスをしたら、その項目をリストに足す。こうして育てていくと、同じミスを二度としない仕組みになります。

まとめ

  • 描いた直後は自分の意図で見てしまう——時間を空けてからチェックする
  • 細部より先に「範囲が揃っているか」「質疑が反映されているか」
  • 1箇所直したら、その情報が載る全図面を確認する
  • 「現場から質問が来そうな箇所」を先に潰すと問い合わせが減る
  • 最後は納品形式で出力して確認。チェックリストは育てていく

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次回予告

次は「施工図フリーランスのファイル管理——データをどう整理しているか」を書く予定です。WORKSカテゴリーをお楽しみに。

質疑の書き方は「施工図の質疑はどう書くか——現場に伝わる聞き方の工夫」、見積の作り方は「施工図フリーランスの見積もりはどう作るか」もあわせてどうぞ。

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