会社を設立して終わり、ではありません。
登記が完了すると、そこから各役所への届出ラッシュが始まります。しかも、提出期限が決まっているものが複数ある。登記の手続きよりも、こちらのほうが種類が多くて煩雑です。
先に書いておくと、僕の場合はこの届出まわりを税理士に対応してもらっています。それでも「何がどこに必要なのか」を自分で把握しておくことは大事だと思ったので、今回は全体像を記録として残します。
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届出先は大きく3つ
法人設立後の届出は、提出先ごとに整理すると理解しやすくなります。
届出先 01
税務署
国税に関する届出。法人設立届出書・青色申告の承認申請書など
届出先 02
都道府県・市区町村
地方税に関する届出。法人設立・設置届出書を自治体へ
届出先 03
年金事務所
社会保険に関する届出。法人は社会保険への加入が原則必要
この3つに加えて、従業員を雇う場合は労働基準監督署・ハローワークへの手続きも発生します。一人法人の場合はここは不要になるケースが多いです。
税務署への届出——期限があるものに注意
税務署への主な届出
| 書類 | 内容 |
|---|---|
| 法人設立届出書 | 会社を設立したことを税務署に知らせる基本の届出 |
| 青色申告の承認申請書 | 期限あり。出し忘れると1期目に青色申告の恩恵が受けられない |
| 給与支払事務所等の開設届出書 | 役員報酬を支払う場合に必要 |
| 源泉所得税の納期の特例の承認申請書 | 源泉税の納付を毎月から年2回にまとめられる。小規模法人には実務負担が大きく違う |
※ 必要な届出・期限は会社の状況により異なります。詳細は税理士・税務署にご確認ください
特に注意したいのが青色申告の承認申請書です。これには提出期限があり、間に合わないと1期目が白色申告になってしまいます。欠損金の繰越しなど青色申告のメリットは大きいので、ここを落とすのは避けたいところです。
もうひとつ、源泉所得税の納期の特例も一人法人には効きます。これを出しておかないと、源泉徴収した所得税を毎月納付することになります。年2回にまとめられるだけで、実務の手間がまったく違います。
都道府県・市区町村への届出
国税とは別に、地方税の窓口にも設立の届出が必要です。ここを忘れる人が多いポイントだと聞きました。
法人住民税・法人事業税は自治体が管轄なので、税務署に出したから終わりにはなりません。都道府県税事務所と、市区町村(東京23区の場合は都税事務所のみで完結)へ、それぞれ設立の届出を提出します。
ちなみに法人住民税には「均等割」があり、赤字でも毎年一定額の負担が発生します。「法人にすると赤字でも税金がかかる」と言われるのはこれのことです。
年金事務所への届出——法人は社会保険が原則必須
個人事業と法人で大きく変わるのが社会保険です。法人は、たとえ一人でも社会保険(健康保険・厚生年金)への加入が原則必要になります。
年金事務所へ「新規適用届」などを提出し、加入の手続きを行います。役員報酬をいくらに設定するかによって保険料が変わるため、報酬の決め方と社会保険はセットで考える必要があります。
個人事業の国民健康保険・国民年金から、法人の健康保険・厚生年金へ。負担の構造そのものが変わるので、ここは事前に試算しておく価値があります。
税理士に任せて感じたこと
冒頭に書いたとおり、僕はこの届出まわりを税理士に対応してもらっています。実際にやってみて感じたメリットは3つでした。
任せてよかった点
- 期限のある書類を落とさない
- 自分は本業の時間を削らずに済む
- 判断に迷ったとき相談できる
それでも自分で把握すべき点
- 何がどこに提出されたか
- 自社がどんな税金を払う立場か
- 来年以降のスケジュール
丸投げして「よくわからないけど終わっていた」にはしたくない、というのが正直な気持ちです。手を動かすのは任せても、構造は自分で理解しておく。この記事を書いているのも、そのための整理という側面があります。
施工図の仕事でも同じで、外注に出すとしても中身を理解していない発注者は、良い結果を得られません。任せることと、理解を放棄することは別だと思っています。
まとめ
- ✓届出先は税務署・都道府県/市区町村・年金事務所の3つが基本
- ✓青色申告の承認申請書は期限あり——落とすと1期目が白色申告になる
- ✓源泉所得税の納期の特例は一人法人の実務負担を大きく減らせる
- ✓法人は一人でも社会保険が原則必須。役員報酬と保険料はセットで考える
- ✓手続きは税理士に任せても、構造は自分で把握しておく
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