施工図を外注・発注するときに気をつけること——受ける側・出す側の両方を経験して

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会社員時代、施工図を外注に出す側の仕事をしていた時期があります。

今はフリーランスとして受ける側にいるので、同じ仕事を出す側と受ける側の両方から見てきたことになります。この両方を経験して思うのは、施工図の外注でトラブルになるポイントは、だいたい決まっているということです。

今回は、施工図を発注する立場の方に向けて「気をつけたいこと」を、受ける側の本音も交えて書きます。逆に受ける側の人が読めば、「発注者は何を気にしているのか」がわかる内容にしました。

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トラブルの原因はほぼ「情報不足」

出す側にいたときも、受ける側になった今も、同じ結論です。施工図の外注で起きるトラブルの大半は、渡した情報が足りていないことが原因です。

図面の描き手が下手だったから失敗した、というケースは実はそれほど多くありません。それよりも「どの図面が最新かわからない」「決まっていない部分が伝わっていない」といった、情報の受け渡しの段階でズレていることのほうがずっと多い。

外注先は現場の空気を知りません。社内の人間なら「言わなくてもわかる」ことが、外の人にはまったく見えていない。ここを埋めるのが発注側の仕事です。

発注時に必ず渡したい5つの情報

外注に出すときの必須セット

  1. 最新版の元図データ——版が複数あるなら「どれが最新か」を明記する
  2. 成果物の範囲——どの図面を、どこまで描くのか。修正対応の回数まで決めておく
  3. 納期と中間チェックの日——最終納期だけでなく「途中で一度見る日」を先に決める
  4. 社内ルール・作図基準——レイヤー・線種・文字サイズ・ファイル名の付け方
  5. 未確定事項の共有——決まっていない箇所を隠さず伝える。ここが一番トラブルになる

特に5.が重要です。「まだ決まっていないけど、たぶんこうなる」という部分を伝えずに発注すると、決定後に大幅な描き直しが発生します。未確定は未確定と伝えたほうが、結果的に手戻りは減る。これは出す側にいたときに痛感したことでした。

受ける側から見た「発注しやすい人・しにくい人」

フリーランスとして受ける側になってから、発注者によって仕事の進めやすさが大きく違うことに気づきました。

やりやすい発注者

  • 最初に条件をまとめて出してくれる
  • 質問への回答が速い
  • 未確定部分を正直に共有してくれる
  • 修正指示が具体的

やりにくい発注者

  • 資料が小出しで届く
  • 質問への返事が数日止まる
  • 「いい感じに」で範囲が曖昧
  • 納品直前に条件が変わる

ここで大事なのは、やりやすい発注者には、良い外注先が残るということです。腕のある人ほど仕事を選べる立場にいます。条件が整理されていて、質問への返事が速い発注者は「またこの人の仕事を受けたい」と思われる。結果として、長期的に安定した外注体制が組めます。

外注は値段の勝負ではなく、関係の勝負。安く叩くより、やりやすい発注者でいるほうが、結局いい図面が上がってきます。

質問への「返事の速さ」が納期を決める

受ける側になって一番強く感じたのがこれです。

施工図を描いていると、必ず判断がつかない箇所が出てきます。そこで発注者に質問を投げるのですが、この回答待ちの時間がそのまま納期を圧迫します。返事が2日止まれば、作業できる日数が2日減る。それでも納期は変わらないので、最後にしわ寄せが来ます。

発注する側でこれを防ぐなら、「即答できなくても、いつ答えるかだけは即返す」のが効果的です。「確認して明日中に返します」の一言があるだけで、受ける側は他の作業を先に進められます。

条件は必ず書面に残す

最後に実務的な話を。範囲・納期・金額・修正回数は必ずテキストで残す。電話や口頭だけで進めると、認識のズレが後から必ず出てきます。

特に「修正は何回まで含むのか」は、決めていないと揉めやすいポイントです。何度でも無料で直せる前提だと思っている発注者と、2回までのつもりの受注者がいれば、どこかで必ずぶつかります。契約書まで作らなくても、メールで条件を確認し合うだけで十分な防波堤になります。

請求書・契約書まわりの実務は「フリーランス施工図の請求書・契約書の管理方法」で詳しく書いています。

まとめ

  • 外注トラブルの大半は技術力ではなく「情報不足」が原因
  • 渡すべきは最新元図・成果物の範囲・納期と中間チェック・作図基準・未確定事項
  • 未確定は隠さず伝えたほうが、結果的に手戻りが減る
  • 質問の回答待ちがそのまま納期を圧迫する——「いつ答えるか」だけでも即返す
  • 範囲・納期・金額・修正回数はテキストで残す。特に修正回数は揉めやすい

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次回予告

次は「施工図フリーランスが独立で失敗しないために——3年やってわかった落とし穴」を書く予定です。WORKSカテゴリーをお楽しみに。

契約まわりの実務は「フリーランス施工図の請求書・契約書の管理方法」、独立前の準備は「会社員のまま施工図の副業を始める方法」もあわせてどうぞ。

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