フリーランスに生命保険は必要か——法人化を機に見直した保険の考え方

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先に結論を書きます。僕は今、生命保険にも個人年金にも入っていません。

「フリーランスなのに保険に入っていないなんて不安じゃないの?」と聞かれることがあります。むしろ逆で、考えた結果として「入らない」を選んでいるから不安がない。法人化を機に保険まわりを改めて見直したので、今回はその考え方を書きます。

※保険の必要性は家族構成や状況によって変わります。この記事は僕個人の考え方の記録であり、加入・非加入の判断はご自身の状況に合わせてご検討ください。

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保険の原点に立ち返る——何のために入るのか

保険を考えるとき、僕は一つの問いに立ち返るようにしています。

「自分に何かあったとき、経済的に困る人は誰か?」

生命保険は「自分が死んだら経済的に困る人がいる」場合に必要なものです。扶養する家族がいて、その生活が自分の収入に懸かっているなら、備える意味は大きい。逆に、その状況にないなら、大きな死亡保障に毎月お金を払う合理性は高くありません。

僕の場合、この問いに答えた結果が「今は生命保険は不要」でした。状況が変われば(家族が増えれば)考え直しますが、そのときも選ぶのは掛け捨ての定期保険だと決めています。

貯蓄型保険に入らない理由——保険と投資は分ける

保険の見直しで一番大事にしているのが、「保険と投資を混ぜない」という原則です。

貯蓄型保険(終身・養老・個人年金)

  • 保障と運用がセットで中身が見えにくい
  • 手数料が高く利回りは低め
  • 途中解約で元本割れしやすい
  • 資金が長期間拘束される

保険と投資を分ける

  • 保障が必要なら掛け捨てで安く買う
  • 運用はNISA・iDeCoで直接やる
  • コストが低く、中身が明確
  • いつでも方針を変えられる

個人年金保険に入らないのも同じ理由です。老後資金づくりが目的なら、税制優遇のあるiDeCoとNISAのほうが、コスト・利回り・柔軟性のすべてで合理的だと考えています。

「保障は掛け捨てで最小限に、浮いたお金は投資へ」。保険料として消えるはずだった固定費が、資産形成の入金力に変わります。

公的保障は意外と厚い——まず知ってから足りない分を考える

「保険に入らないと不安」の多くは、公的保障を知らないことから来ていると思います。日本の公的保障は意外と厚い。

フリーランスでも使える公的保障の例

  • 高額療養費制度——医療費の自己負担には月額の上限がある。「入院=破産」にはならない
  • 遺族年金——万一のとき、条件を満たせば遺族に年金が支給される
  • 障害年金——病気やケガで働けなくなった場合の公的保障

※ 制度の内容・支給条件は変わる場合があります。最新情報は公的機関でご確認ください

まず公的保障で何がカバーされるかを知り、「本当に足りない部分」だけを民間保険で補う。この順番で考えると、必要な保険はかなり絞られます。

フリーランスの現実的なリスクは「死亡」より「働けなくなること」

では僕が何も備えていないかというと、そうではありません。唯一入っているのがフリーランス協会です。

フリーランスにとって現実的に怖いのは、死亡よりも「ケガや病気で働けなくなること」「仕事上のミスで賠償を求められること」です。会社員と違って傷病手当金がなく、仕事が止まれば収入は即ゼロになる。施工図という納期のある仕事では、賠償リスクもゼロではありません。

フリーランス協会の会費で、業務上の賠償責任への備えと就業不能時の補償がカバーできる。「発生確率は低いが、起きたときのダメージが致命的なリスク」にだけ、保険という道具を使う——これが僕の保険の使い方です。

法人化で保険はどう変わるか

法人化すると「法人契約の保険で節税しませんか」という提案を受ける機会が増えると聞きます。実際、役員向けの保険商品はたくさんあります。

ただ、僕のスタンスは変わりません。節税を入口に保険を選ぶと、本来の目的(リスクへの備え)を見失いやすい。保障が必要かどうかをまず判断して、必要なら最小限を掛け捨てで。法人の資金は保険で寝かせるより、事業と投資に回したいと考えています。このあたりは税理士と相談しながら、1期目の実態に合わせて判断していく予定です。

保険は「お守り」ではなく「道具」。何のリスクに備えるのかが明確でない保険は、固定費になるだけです。

まとめ

  • 保険の出発点は「自分に何かあって経済的に困る人は誰か」——いなければ大きな死亡保障は不要
  • 保険と投資は混ぜない——保障は掛け捨て、運用はNISA・iDeCoで直接
  • 公的保障(高額療養費・遺族年金・障害年金)を知ってから、足りない分だけ民間で補う
  • フリーランスの現実的リスクは就業不能と賠償——フリーランス協会でカバー
  • 法人化後も「節税目的の保険」には慎重に——保険は道具、目的から選ぶ

次回予告

次は「法人の役員報酬はいくらにすべきか——決め方の考え方と僕の結論」を書く予定です。MONEYカテゴリーをお楽しみに。

お金の守りの設計は「30代フリーランスの貯金額はいくらが正解か」、資産形成の土台は「収入が不安定なフリーランスが資産をつくるための3つの基本ルール」もあわせてどうぞ。

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